畳の知識 畳表の生産地
注意 最近中国産い草を輸入して国内で織りあげた「国産表」が横行しています。それが国産表?そんなバカな!と思い調査したところ、国の法規制下では構わないそうです。丈夫な国産表だと思って買ったら弱い中国い草だった…。当店では、お客様の信頼を裏切らないように、国産表と表示の畳表は全て国産い草を100%使用し、産地証明シールを畳一枚ずつに貼り付けています。
備後本口表
備後本口表は広島県で生産される極上品で、宮中の献上畳表、徳川幕府御用畳表として指定されてきました。細くて硬く光沢に優れているのが特徴です。広島県で生産したイ草を用いて広島で織られています。
3戸ばかりの農家が細々と伝統を護って生産しておられます。全国のイ草生産量の0.1%にも満たない貴重品です。
備後織表
他県で生産したイ草を広島県の伝統技術である「備後織り」を用いて織った表で、縁ぎわまですっきりと織り上がります。広島県以外のイ草を使用しますが、備後の染土を用いますので備後独特の美しい銀白色の光沢がみられます。全国生産量の1%です。
当店では熊本県産のイ草を用いて備後で織らせています。
備前表
かつては日本一のイ草の生産地だった、岡山県で生産される畳表です。イ草はやや太めですが、草質にムラが少なく均一に退色するのでヤケムラが大変少ないのが特徴です。近年生産が終了しました。
熊本表
全国の95%強のイ草生産を誇る産地で、現在の国産畳表はほとんどが熊本県産といってもよいでしょう。色調、艶、硬さ、織り具合いと全て良質に仕上がります。畳表の万能選手といったところです。畳表は全国生産量の83%を生産しています。
製品は、標準品から特選品まで豊富であり、厚く織り込んでいるため丈夫な畳表として定評があります。最近では品質第一の生産体制のもとに繊細な品質感にあふれた「ひのさらさ」が人気を呼んでいます。
福岡表
全国第2位の生産地で、全国生産の2%をしめます。太めでやや軟らかイ草質ですが、均一性に優れているのが特徴です。日焼け時の草ムラが出にくい特徴があります。
琉球表
断面が三角状(普通のイ草は断面が丸)になっている「七島イ草」という特殊なイ草で織られた高級畳表です。大分県で生産されます。
しなやかな草質ですので縁無し畳を作ることができ、独特なざんぐりとした見た目も好まれます。近年では縁無し畳の半畳を縦横交互に市松模様に敷きインテリア感覚で楽しんだりいたします。
琉球表は大変高価となりますので、普通のイ草を用いて織ったメセキ表を使用した琉球風表もございます。
中国産表
近年では、中国からの輸入品が畳表の大半を占めるようになりました。浙江省寧波市近郊で栽培されています。全国の消費量の約80%を中国産に頼っています。近年、製織技術も格段の進歩を遂げ普及品は国産品よりも美しく仕上がるようになりました。
大量販売が特徴ですので、一枚一枚にくまなく神経を行き届かせて製織しなくてはならない高級品の場合にはまだ難しいのが現状です。ひとつの産地の中でもイ草の品質の優劣が激しく、廃棄される分が多いことも問題となっています。
近年の畳は特に国産品と指定しなければ全てといって良いほど中国産が使用されるようになってきました。
中国四川産表
中国四川省眉山近郊で栽培されるこの表は殆ど国産品と差がなく、中国表とは思えないほど高品質です。製造数にも限りが有り価格も高めですが、国産品よりは利口に入手できますので使い勝手が良い畳表です。